THESEUSで使用するメインの革を決めるに至った理由とは
2023・06・24
梅雨も本格的となり、蒸し暑い日が続きますね。
実は、夏は革職人にとって大変な時期でもあります。
それは、手汗問題です。手汗で革に指の跡が付いたりする事があったりします。
幸い、私はあまり手汗をかかないので助かっております。
さて今回は、THESEUSでメインとして使用する革についてお話したいと思います。
今使用している革をメインの革にするに至った経緯など、THESEUSの革へのこだわりを知って頂けたら幸いです。
革の鞣し方法の種類
まず鞣しとは、漢字でいうと【皮から革へ】です。
動物から取った【皮】を加工して【革】になります。この加工を鞣し加工といいます。
そして鞣し加工には大きく分けて2種類分類されます。細かく分類すると他にもあるのですが、よく耳にする2種類に分けたいと思います。簡単に説明します。
タンニン鞣し > 植物の幹や樹皮、葉、実などに含まれるタンニン(簡単に言うと渋)を使用して皮を鞣す加工。
クロム鞣し > 塩基性硫酸クロムという薬品を使用して皮を鞣す加工。
すなわち、タンニン鞣しは天然剤で鞣し、クロム鞣しは化学薬品で鞣した物です。
タンニン鞣しは、鞣す時間や手間もかかりますが長い歴史があり素晴らしい鞣し方法です。
THESEUSはこのタンニン鞣しにこだわって使用しています。
使用する革のたどり
レザークラフトを始めた当初は、革の質よりもまず技術向上でした。
革資材を販売するクラフト社のサドルレザーを使用していました。
レザークラフトを本職にする時に、革を変更する事に決めました。
それまで有難い事に、フルオーダーの注文を製作させて頂いて沢山の革に触れる機会をいただきました。
その中で、自分の理想というか自分の作る物に合う革が見えてきました。
そして色々吟味し、イタリア産のリオダブルバットレザーを使用することにしました。とても上品な表情で質もよく、硬さやしまり具合など素晴らしい革でした。
お値段ははりましたが・・・
色は、ナチュラル・ブラウン・ブラックのすべての色を揃えていました。
ですがその頃は今と違い、イタリアからの情報が流れてこず、いきなりメインのナチュラルが廃盤となりとても困りました。でも海外ではよくある事のようでした。
後、欲をいえばもう少し経年変化をして欲しい所でした。
ここで、自分が求める最高の革を探す旅が始まりました。
栃木レザーワイルドとの出会い
ここからサンプルを送って頂いたり、和歌山市から東京・横浜まで行って革を見せて頂いたりと、沢山の時間をかけて妥協なく探し回り、いいな!と思った物で試作したりしました。
栃木レザーといえばご存じの方も多いと思います。
その中でも色々種類があって、あるショップで栃木レザーワイルドをすすめられました。
この革の一番の特徴は、経年変化を視野に入れて何年も先にこうなるようにと考えられて鞣されていること、他にはない強めの艶でした。
試作して使用し、これだ!と思いました。
ですが、生産数が少なく注文して長期間待つ事もありましたが、それもこのワイルドの魅力です。
後一つ、革購入は材料店様との信頼関係がとても重要です。
私がどのような革を求めているのかをわかって頂ける材料店でなければいけません。
こちらの方が安いから!とかでは私は納得できません。
ですので、3店目にして私と同じ波長のような店主と出会いました。
今は何も言わなくても【私の理想の革】を送って下さいます。
革購入はここが一番大切だと私は思っております。
現在、ナチュラル・ダークブラウン・ブラック・ボルドーの4色でTHESEUSは展開しています。
近々もう1色加わる予定です!
これからは、全5色で栃木レザーワイルドを展開していきます。
栃木レザーの中でもワイルドは、他の革で味わえない経年変化をもたらします。
革好きの方に一度ワイルドを使用したアイテムを使用して頂きたいです。
永く愛せるアイテムになると、私はオススメします!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
和歌山県和歌山市で活動しているLEATHER FACTORY THESEUS(テセウス)では、ハンドメイドレザークラフトにプライドとこだわりをもって、私一人ですべての工程を行い革製品製作しております。
主に財布や小銭入れ、ベルトなど受注生産しています。
セミオーダーやフルオーダーもご相談お受けいたします。
ご質問やご相談、製作依頼などお気軽にお問合せくださいませ。
おしゃべり大好きなので雑談もオッケーですよ!お待ちしています!
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